【8月23日 AFP】ニュージーランドサッカー協会(New Zealand Football)が、多様性推進の一環として「オールホワイツ(All Whites)」という男子代表チームの愛称の使用をやめることを検討していると報じられ、国内ではファンや元選手の間で激しい議論が起こっている。

 オールホワイツは代表チームが全身白のユニホームを使っていることからついた愛称だが、国営ラジオ・ニュージーランド(Radio New Zealand)が伝えたところによると、協会は人種的な含意があるとみなされることを懸念し、見直しが行われているという。

 協会は愛称について直接的な言及はしなかったが、「文化的包括性をめぐる道のり」の一環で、競技のあらゆる面を確認していると述べている。

 オールホワイツの愛称が最初に使われたのは1982年W杯(World Cup)の予選を戦っていたときで、代表ユニホームと、ラグビーニュージーランド代表の有名な愛称「オールブラックス(All Blacks)」がもとになっている。

 同国代表の他のスポーツチームも、ホワイトファーンズ(クリケット女子)やブラックキャップス(クリケット男子)、ブラックスティックス(ホッケー男女)、トールブラックス(バスケットボール男子)といった似たような愛称がついている。

 元代表DFのライアン・ネルセン(Ryan Nelsen)氏は変更を支持し、人種的な意味合いがあると捉えられかねない名前は好ましくないと話している。ネルセン氏はラジオ・ニュージーランドに対して「ほんの少数でも不快に思う人がいるなら、私にとっては変更する理由として十分だ」とコメントした。

 一方で大物スポーツキャスターのジェイソン・パイン(Jason Pine)氏は、変更は「完全にばかげている」と話し、チームの歴史に対する誇りが失われかねないと指摘している。

 パイン氏はツイッター(Twitter)に「オールホワイツはファンがつけたニックネームで、代表ユニホームの色を完全にベースとしている。(米大リーグ<MLB>の)ボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)と同じだ。彼らは赤いソックスをはいている。オールホワイツも白いユニホームを着ている。それだけのことだ」と投稿した。(c)AFP