【解説】イスラム世界におけるシャリア、その解釈と適用
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■イラン
中国と並んで死刑執行が多いイランの法体系もサウジ同様、シャリアに基づいているが、重要な違いがいくつかある。
例えば、裁判官は状況証拠に重きを置くことが認められている。また伝統的なシャリアとは異なり、イランでは禁錮刑が中心だ。
それでも、イスラム教シーア派(Shiite)が多数を占めるイランでは、シャリアの刑罰を広く適用している。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は2017年、「むち打ち、切断、目つぶしなど、残虐で非人間的な刑罰を引き続き行っている」としてイランを非難した。
■ブルネイ
絶対君主制の小国ブルネイは2019年、東南アジアで初めてシャリアの厳格な解釈を採用した国として、国際社会から非難を浴びた。
国王はその後、不倫や同性間の性交渉に対する石打ちによる死刑など、一部の刑は実施しない意向を示した。
■アフガニスタン
アフガニスタンを制圧したタリバンは、以前の残忍なシャリア解釈を一部緩めると示唆している。
5年にわたった前のタリバン政権では、女性たちを家に閉じ込め、男性に付き添われ、ブルカ(全身を覆うイスラム教徒の女性用衣服)を着用した上での外出しか許可しなかった。また過激なハッド刑も日常的に執行していた。
■インドネシア
スマトラ(Smatra)島に位置する保守的なアチェ(Aceh)州は、世界最大のイスラム人口を持つインドネシアで唯一シャリアを施行している。
分離独立運動を抑え込もうとする政府が2001年、同州に一定の自治権を認めた後、シャリアが適用された。
公開むち打ち刑は、ギャンブルから飲酒、不倫、同性間の性交渉にまで広く適用されている。ただし、インドネシア政府は斬首刑を認めていない。
■スーダン
スーダンは1983年にシャリアを導入したが、人権活動家らによると、その施行は断片的だ。
投石による死刑も法制化されているが、ここ数十年は執行されたことがない。一方で毎年、数百人の女性たちが「不道徳な行為」により、むち打ち刑に処せられていると活動家らは指摘している。