【8月14日 AFP】イスラエル当局は13日、50歳以上の国民に新型コロナウイルスワクチンの3回目接種(ブースター接種)を開始した。対象年齢を60歳以上から50歳以上に引き下げ、感染力の強い変異株「デルタ株」による感染者数の急増を抑えることが狙いだ。

 ナフタリ・ベネット(Naftali Bennett)首相によれば、イスラエルではここ1週間で78人が新型ウイルスで死亡しており、うち76人は60歳以上だった。3回目のワクチン接種を終えていた人はいなかったという。

 同氏は「ワクチンの効果は月を経るにつれて低下していく」と指摘し、「3回目の接種で、デルタ株に対する強い免疫力ができる」と述べた。

 イスラエル政府は12日、50歳以上の国民を対象に3回目のワクチン接種を実施すると発表。その2週間前には、60歳以上を対象に3回目の接種を開始していた。

 世界保健機関(WHO)は、世界のワクチン供給の不均衡に対処するため、少なくとも9月末まではブースター接種を見合わせるよう求めている。

 しかしベネット首相は、同国がブースター接種を進めることで「世界に大きく貢献」していると主張した。

 同国保健省によれば、イスラエル国民のうち77万5000人以上がブースター接種を終えている。同省の発表では、12日の新規感染者は6083人だった。(c)AFP/Daniella Cheslow