【7月30日 AFP】(更新)米女優のスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)さんが29日、主演したマーベル(Marvel)映画『ブラック・ウィドウ(Black Widow)』の劇場とストリーミング配信での同時公開は契約違反に当たるとして、マーベルの親会社ディズニー(Disney)を相手取り、ロサンゼルスの裁判所に提訴した。ディズニーの決定により巨額の損失を被ったと主張している。

 訴状によると、ハリウッド(Hollywood)でトップレベルの出演料を取る大スターであるヨハンソンさんは、期待作だった『ブラック・ウィドウ』の出演料として、劇場での興行収入に比例する金額を受け取る契約を結んでいた。

 同作は昨年に劇場公開される予定だったが、新型コロナウイルスの流行により延期が繰り返され、今月ようやく劇場とストリーミングサービス「ディズニープラス(Disney+)」で同時公開された。だが公開後3週間の米国内興行収入は1億5000万ドル(約160億円)と、マーベル作品としては振るわない結果に。アナリストらは、ストリーミングでの公開が興収に大きく響いたとみている。

 ディズニープラス会員は30ドル(約3300円)の追加料金を支払うことで同作を視聴できる。ディズニーは、公開初週の週末を終えた時点での発表で、同作がディズニープラス上で6000万ドル(約66億円)以上の収益を上げたことを明らかにしていた。

 ヨハンソンさんの代理人弁護士はAFPに対し、「ディズニーが『ブラック・ウィドウ』などの映画を直接ディズニープラスで公開するのは、会員数を増やし、株価を上げるのが目的であること、そしてそのための口実として新型コロナウイルスを隠れみのにしていることは、誰もが知っている事実だ」と主張した。

 ディズニーの広報担当者はAFPに対し、ヨハンソンさん側の主張を否定。契約違反の事実はなく、「この訴訟には何らメリットがない」と一蹴した。(c)AFP/Andrew MARSZAL