【7月27日 AFP】今年に入り上昇傾向にあったコーヒー豆の価格が先週、世界最大の生産国ブラジルでの霜害を受け、さらに急騰した。

 ブラジルの主要輸出品の一つ、コーヒー豆アラビカ種の先物価格は、23日には1ポンド当たり2ドル超に上り、2014年以来の最高値を付けた。アラビカ種の先物価格は、今年1月以降60%上昇している。

 下位品種とされ、主にアジアで栽培されるロブスタ種も、2017年10月のピーク時並みの1トン当たり1993ドルに上昇。同種の価格も、今年に入ってから40%近く伸びている。

 ラボバンク(Rabobank)のアナリスト、カルロス・メラ(Carlos Mera)氏は「今回の天文学的な上昇には、複数の理由がある」と指摘。主因としてブラジルでの深刻な天候不順を挙げた他、輸送費の高騰や世界3位の生産国コロンビアの政情不安にも言及した。

 ブラジルは今年、歴史的な干ばつに見舞われた。さらに先週には、同国産アラビカ種の7割を生産するミナスジェライス(Minas Gerais)州の主要農園が霜害を受けた。メラ氏によると、気温が氷点下まで落ち込んで「落葉を招き、若木を枯らした」という。

 コーヒー需要は、新型コロナウイルスの流行で停滞していた各国の経済活動が再開されたことで、今年に入り高まっている。(c)AFP/Benoit PELEGRIN