【7月22日 AFP】菅義偉(Yoshihide Suga)首相は20日、米紙に掲載されたインタビューで、東京五輪の開催をめぐり国際オリンピック委員会(IOC)から圧力を受けた事実はないと否定した。東京では新型コロナウイルス感染者が急増し、五輪開催に反対する声が根強く残っている。

 開会式を数日後に控えた菅氏はウォールストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、「環境はそろっている、準備はできている」と語った。

 五輪開催を強いる圧力については「全くない」と明言。「日本は手を挙げて、日本で五輪をやりたいと招致してきた」とし、「押し付けられるようなことだったらはね返す」と述べた。

 人口約1400万人の東京の1日当たりの新規感染者数は、このところ連日1000人前後に上っている。だが同程度の人口を持つ他国の大都市に比べると、その数ははるかに少ない。

 昨年9月に首相に就任した菅氏は、東京の感染者数は比較的少ないとして、大会の安全な開催は可能だと強調した。

 しかし21日に発表された東京の新規感染者数は、2月以降で最多の1832人。医療専門家らは国民に対し、自宅にとどまり、五輪はテレビで観戦し、他者との接触を避けるよう要請した。

 菅氏は東京五輪を中止するよう繰り返し助言されたと同紙に明かした。「やめることは一番簡単なこと、楽なことだ」としながらも、「挑戦するのが政府の役割だ」との考えを示した。

 菅政権と五輪関係者らは大会開催方針を固持したことで、世論の批判にさらされている。政権支持率は30%余りに落ち込んだ。菅氏は五輪後に、自党の総裁選と総選挙に臨むことになる。(c)AFP