【7月13日 AFP】中国南西部を移動する野生ゾウの群れに置き去りにされた重傷を負った赤ちゃんが発見され、保護された。国営メディアが13日、伝えた。

 雲南(Yunnan)省の自然保護区にいたアジアゾウの群れは、数か月にわたり500キロ以上移動しており、中国で確認された動物の大移動としては最も長いものの一つとなっている。

 ゾウの大移動によって、100万ドル(約1億1000万円)以上に相当する被害が農作物などに出ている。

 地元住民が10日朝、脚を負傷した赤ちゃんゾウが茶畑にいるところを発見した。傷は化膿(かのう)しており、痛そうにしていたという。赤ちゃんは体重180キロで、群れの大移動中に生まれた。

 国営の中国中央テレビ(CCTV)によると、治療をしなければ命の危険があった。

 亜州象種源繁育及救助センター(Asian Elephant Breeding and Rescue Center)の代表者はCCTVに対し、「傷はかなり悪く見え、抗菌薬と抗炎症薬を投与した」と述べた。治療を続ければ完治する見込みだという。

「ラタン(トウ)のとげのようなものが刺さり、徐々に感染した可能性がある」

 国営メディアが公開した映像には、熱帯雨林の開けた場所で警察や救助隊員約10人が赤ちゃんを囲み、ばたつかせている四肢を縄でくくり、ワゴン車に乗せる様子が映っていた。

 赤ちゃんは、100キロ先の保護センターに運ばれた。(c)AFP