【7月15日 AFP】米国史上最長となったアフガンでの戦争が、駐留米軍の撤退とともに事実上の終わりを迎えている。

 2001年9月11日の米同時多発攻撃を受けて始まったアフガニスタンでの戦争では、数万人に及ぶアフガン人と米兵約2400人の命が奪われ、数兆ドルという巨額の資金が投じられた。

 米軍による激しい爆撃と部族勢力を蜂起させる作戦が功を奏し、強硬派のタリバン(Taliban)体制はわずか数週間で崩壊した。しかし、その後の紛争は泥沼化した。

 アフガニスタン内にあった国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の訓練基地の解体を任務として始まった作戦は、時間の経過とともにタリバンとの全面戦争へと発展し、米軍の強大な軍事力をもってしても鎮圧することのできない状況に陥った。

 2011年の米軍特殊部隊によるパキスタンでのアルカイダ指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の殺害は、作戦の継続をめぐる議論を再燃させ、タリバンとの和平交渉を難航させることにもなった。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の米大統領選出は、米国のアフガンへの関与の終わりの始まりとなった。2020年2月には、米政府とタリバン指導部がカタールで協議し、アフガンからの米軍撤退という画期的合意に至った。

 そして2021年4月、現大統領のジョー・バイデン(Joe Biden)氏が、米同時多発攻撃から20年となる9月11日に先立ち、アフガン駐留米軍を完全撤退させることを発表した。

 だが米軍の撤退に伴い、再び勢力を拡大しつつあるタリバンは、軍事支配と新たな内戦に向けて攻勢を強めていることがうかがえる。アフガニスタンを待ち受けているのは、不確実な未来だ。(c)AFP