【6月14日 AFP】12日に行われたサッカー欧州選手権(UEFA Euro 2020)の試合中にデンマーク代表のMFクリスティアン・エリクセン(Christian Eriksen)が突然倒れた件で、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)時代にエリクセンを診たことがあるスポーツドクターが、復帰できる可能性は低いと話した。

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 エリクセンは12日のフィンランド戦の前半終盤に突然倒れ、ショックを受けた1万6000人の観客が見つめる中、周りをチームメートに囲まれて隠されながらCPR(心肺蘇生法)を受けた。

 ロンドン大学セント・ジョージ校(St George's, University of London)でスポーツ心臓病学を教え、イングランド・サッカー協会(FA)で心臓病専門医グループの議長も務めるサンジャイ・シャルマ(Sanjay Sharma)教授は、英PA通信(Press Association)に「明らかに、何かが急激に悪化したのだろう」と話した。

「それでも現場の医師たちは、なんとか彼を蘇生させた。問題は何が起こったのか、そして原因は何だったのかだ」

「エリクセンは2019年までずっと、通常通りに検査をこなしていた。であれば、今回の心停止をどう説明すればいいのか」

 シャルマ医師は、気温の高さや別の未知の条件など、理由はいくつかあると指摘しつつ、エリクセンに意識があるという報道は「非常に良い兆候だ」と話している。

「非常に喜んでいる。容体が安定し、目を覚ましているという点から、見通しは非常に明るいと言えるだろう。しかしまたサッカーをできるようになるかは分からない」

「はっきり言ってしまえば、彼はきょう、ほんの数分にせよ死んだのだ。その状況で、医療の専門家が再び命を落とすことを許すかと言えば、答えはノーだ」 (c)AFP