【6月13日 AFP】英南西部コーンウォール(Cornwall)で2年ぶりに対面で開かれた先進7か国(G7)首脳会議(サミット)は12日、中国や将来の感染症がもたらす脅威に対処する姿勢を示し、西側諸国の結束をアピールした。

 サミットは13日、3日間の日程を終える。開催国・英国によると、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領ら参加各国首脳は、地球温暖化対策として環境保護および炭素排出量の目標を支持すると表明する見通し。

 13日の最終声明と共に発表される予定の「自然協定」でG7各国は、2030年までに炭素排出量を2010年比でほぼ半減させるとともに、生物多様性の損失を食い止め、回復に転じさせる決意も示す方針。また、気候変動の影響に直面する発展途上国への財政支援拡大を確約し、11月に英スコットランドで開かれる国連(UN)気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)につなげる。

 これらはどれもドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領時代には考えられなかったことだが、バイデン氏は大統領就任後初の外遊となった今回のサミットで、米国の指導力がよみがえったことを印象づけた。

 G7は、巨額の低中所得国向けインフラ投資を促進し、「価値観に基づいた、高水準で透明性のある」協力関係をつくっていくことでも合意した。新構想「ビルド・バック・ベター・ワールド(B3W、より良い世界の再建)」で、小国に過剰な債務を負わせていると批判されている中国の巨大経済圏構想「一帯一路(Belt and Road)」に対抗する。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で多くの人命が失われ、経済も大打撃を受けたことから、英国は、G7が保健に関する新たな協定「カービスベイ宣言(Carbis Bay Declaration)」で合意したことを高く評価した。カービスベイ宣言には、将来の疾病に対するワクチン、治療法、診断法の開発から認可までに要する期間を100日未満に短縮することや、世界的な感染症監視網の強化などが盛り込まれる。

 英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、米国のG7は13日、B3Wの詳しい内容を含めた最終声明と共に、カービスベイ宣言を正式に発表する。

 12日にはG7サミットにオーストラリア、南アフリカ、韓国の首脳が加わり、インドもリモートで参加して、幅広い外交問題を討議した。

 G7サミット終了後の14日にはベルギーのブリュッセルで北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が開かれ、16日にはスイス・ジュネーブでバイデン米大統領とロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が対面で会談する。(c)AFP/Joe JACKSON and Jitendra JOSHI in Falmouth