【6月2日 AFP】テニスの四大大会(グランドスラム)で4勝を挙げている大坂なおみ(Naomi Osaka)が、ほぼ3年にわたってうつに苦しんでいると明かし、全仏オープン(French Open 2021)を棄権したことで、プロスポーツ界でのメンタルヘルスの問題が注目を集めている。

 そこでAFPは、これまでにうつとの闘いを告白したスポーツ選手を5人紹介する。

■マイケル・フェルプス/競泳

 五輪で史上最多23個の金メダルを獲得した米国のマイケル・フェルプス(Michael Phelps)氏は、自身のうつとの闘いについてたびたび告白し、五輪のたびに苦しんでいたと話している。

 フェルプス氏は2018年、「私は水泳でとても信じられないことを成し遂げられたと同時に、プールの外では苦しんでいた。生きていたくないと思っていた時期もあった」と告白。2012年のロンドン五輪後は、数日にわたって部屋にこもったこともあったと明かしている。

 東京五輪の延期に苦しんでいる選手に向けて、フェルプス氏は「助けが必要な状況になったら、連絡して助けを求めることだ」と述べながらも、「それは、自分にとって最も難しいことだった」と話している。

■アンドレス・イニエスタ/サッカー

 スペイン代表で欧州選手権(UEFA Euro)連覇、さらに2010年のW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)優勝を成し遂げたアンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)も、うつを公表しており、昨年に放送されたドキュメンタリー番組では、友人だったダニエル・ハルケ(Daniel Jarque)氏が2009年、心臓発作により26歳でこの世を去った際にひどく落ち込んだことを明かしている。

 2009年は所属するFCバルセロナ(FC Barcelona)が欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)を制覇した年だったが、イニエスタはそのすぐ後からうつに苦しんだと話し、「あれはボディーブローというか、何か強烈なもので再び殴り倒されたかのようだった。かなり落ち込んでしまった。明らかに調子も良くなかった」とコメントしている。

「日にちが経過してもちっとも良くならないと感じた。気分はすぐれないし本来の自分ではなかった。すべてが雲に覆われて暗闇になっていくんだ」