【4月7日 AFP】五輪史上最多となる合計28個(金23個)のメダルを獲得した元競泳のマイケル・フェルプス(Michael Phelps)氏が6日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で東京五輪が延期される事態に直面したアスリートについて、その心情は「察するに余りある」との認識を示した。

 フェルプス氏はこの日、米NBCテレビの番組「トゥデー・ショー(Today Show)」に出演し、「これも自分たちの人生だ」「もし自分がまだ現役だったとして、まさに今どんな気持ちでいるのか何度も考えようとした」とすると、「本当に察するに余りあることだ」と述べた。

 新型コロナウイルスの影響で大会や施設が閉ざされ、五輪を目指している選手のトレーニングが難しさを増していた中、国際オリンピック委員会(IOC)は東京五輪を12か月延期するという歴史的な決断を下した。

 2016年リオデジャネイロ五輪の後に現役を引退したフェルプス氏は、選手たちは延期という状況の中で前向きな要素を見つける努力が必要との考えを示した。

「選手は必死に4年間を過ごしている。われわれは開催時期を明確に把握した上で、そこに向けて体を準備しているのに、さらに待たなければならないなんて」「最も大切なのは、全員がこの機会をもう一年あると考え、細かい調整を行っていくこと。そうすれば物事は大きく違ってくるだろう」

 自身のうつ病との闘いを克明に公表しているフェルプス氏は、すでに五輪の延期がアスリートの精神面に大きな打撃を与えるとの懸念を表明していた。そのアドバイスとして、「助けが必要な状況になったら、連絡して助けを求めることだ」と述べ、「それは、自分にとって最も難しいことだった」と明かした。(c)AFP