【6月1日 AFP】米テネシー州の帽子店が、第2次世界大戦（World War II）中にナチス・ドイツ（Nazi）がユダヤ人に着けさせたものに似た黄色い星に「ワクチン未接種」と書かれたワッペンを宣伝・販売し、非難を浴びている。

　新型コロナウイルスによる死者が世界最多の米国では、ワクチン接種をめぐる論争があちこちで起きている。

　テネシー州ナッシュビル（Nashville）にある帽子店「ハットワークス（HatWRKS）」は5月28日、経営者を名乗る女性が黒いTシャツに「未接種」と書かれた黄色いダビデの星（Star of David）を着けている写真をインスタグラム（Instagram）に投稿。1枚5ドル（約550円）のワッペンを入荷したと宣伝した。現在この写真は削除されている。

　これを受け、米国を象徴するカウボーイハットの老舗メーカー「ステットソン（Stetson）」は29日、ハットワークスとの取引を打ち切ると発表。ソーシャルメディアでもハットワークスに対する非難が巻き起こった。

　ハットワークスのフェイスブック（Facebook）ページには、さまざまな批判を要約するかのように、「貴店のナチスの星バッジは、おそらく私が今まで見た中で最も攻撃的で反ユダヤ的なものだろう」とのコメントが書き込まれた。ツイッター（Twitter）では、同店を非難する「#HATEWORKS」というハッシュタグが登場した。

　29日にはハットワークスの店頭で数十人が抗議。地元メディアは「ナッシュビルにナチスは不要！」と書かれた横断幕を持つ人々を報じた。(c)AFP