【5月28日 AFP】新型コロナウイルスの起源をめぐる議論が再燃する中、交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブック(Facebook)は26日、研究所流出説の投稿を禁止する方針を撤回した。

 フェイスブックは公式ウェブサイトで、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の起源に関して進められている調査と、公衆衛生専門家らとの協議を踏まえ、同ウイルスが人工的に作られたとする主張について、今後は当社のアプリから削除しないことにした」と述べた。「同ウイルスの進化に対応するため、保健衛生の専門家らと協力を続け、新たな事実や傾向が判明次第、方針を定期的に更新していく」

 誤ったコンテンツや潜在的に有害なコンテンツを根絶する一方で、議論の余地を残すというフェイスブックが直面する課題が浮き彫りになった。フェイスブックは2月、世界で300万人以上の死者を出した新型ウイルスに関する誤った主張や、根拠のない主張を削除する方針を発表していた。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は、同国の情報機関に対し、中国で最初に確認された新型ウイルスの起源が動物由来なのか、研究所からの流出なのか、調査報告を行うよう指示していた。

 研究所流出説は当初、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米政権がとりわけあおっていたが、政治的な主張として否定されていた。しかし、米国では支持されるようになってきている。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は米情報機関の調査結果として、中国が謎の肺炎の流行を公表する1か月前の2019年11月、武漢ウイルス研究所(Wuhan Institute of Virology)の研究員3人にCOVID-19に似た症状が出たと報じている。(c)AFP