【5月27日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は26日、紛争が続くエチオピア北部ティグレ(Tigray)州の国内避難民キャンプで700人もの避難民が兵士らに身柄を拘束されたとの報告を受けたと明らかにし、「深い懸念」を表明した。

 ティグレ州の町シレ(Shire)にあるキャンプに身を寄せていた避難民らは24日夜、エチオピアと隣国エリトリアの兵士らによって一斉に身柄を拘束された。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)と目撃者の証言によると、シレでは複数の仮設キャンプで少なくとも200人が拘束された。拘束された人数はさらに多い恐れがあるとしている。兵士らは避難民を殴り、携帯電話を取り上げた後、トラックに強制的に乗せたという。

 国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」も26日、「残った人々が安全を求めて他地域に逃れており、(シレ周辺の)キャンプは空っぽになりつつある」と発表した。

 ティグレ州北西部を管轄する当局者は25日、AFPに対し、反政府勢力が避難民キャンプに入り込んだとの報告を受けたため、大量拘束を行ったと説明。身元確認を進めており、25日夜までに9人を解放したと述べたが、26日の取材には応じなかった。

 シレには多数の国内避難民が暮らし、その多くはティグレ州西部から逃れてきた人々だ。アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は、ティグレ州西部では「民族浄化」が行われていると非難している。(c)AFP/Robbie COREY-BOULET