【5月8日 AFP】米アリゾナ州のグランドキャニオン国立公園(Grand Canyon National Park)でバイソンが増え過ぎた問題に対処するため、12頭のバイソンを殺処分するボランティアを募ったところ、応募者が4万5000人を超えていたことが分かった。米国立公園局(US National Park Service)が7日、明らかにした。

 国立公園局の広報担当者、ケイトリン・トーマス(Kaitlyn Thomas)氏はAFPに、バイソンの個体数が増加し過ぎると、植生や土壌など公園内の生態系が損なわれるおそれがあると説明した。

 園内を保護するため、グランドキャニオン国立公園の職員らがバイソンを殺処分する計画に一般からボランティアを募ったところ、応募者は2日間で4万5000人を超え、抽選で第1段階として25人が選ばれた。この25人は、バイソンを殺処分するのに必要な射撃能力や体力を備えているか厳しく審査され、17日までの最終選考で12人が選ばれる。

 ボランティアの条件として、米国籍と狩猟用ライフルの保持は必須。1人につきバイソンを1頭殺してよいが、作業は車両の進入が禁止されている区域で行われるため、域内を自動車で移動することはできない。

 トーマス氏によると、バイソンの死骸はボランティアの間で分けられ、「希望者がいない部位は、グランドキャニオン国立公園との縁が深い11の先住民族の部族政府に送られる」。

 トーマス氏は、「多数の応募があると思っていた」として、実際に殺処分計画を発表した際には「かなりの興味が寄せられた」と話した。

 バイソンの殺処分は、公園当局の管理の下で行われるため、正確には狩猟ではないと国立公園局は説明しており、レクリエーションのほか、公共の利益になるという。(c)AFP