米司法省、銃規制案を発表 「ゴーストガン」取り締まりへ
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【5月8日 AFP】米司法省は7日、銃規制を強化し、「ゴーストガン」と呼ばれる追跡不可能な手製銃の急速な普及につながった規制の抜け穴をふさぐための案を発表した。
同省によると、2016~2020年に回収された製造番号のない銃は2万3000丁以上。これらの銃は通常、オンラインで購入された主要部品やキットが使われ、家庭用の3Dプリンターで作った部品を使用しているものもある。
同期間中に発生した殺人または殺人未遂事件少なくとも325件に、ゴーストガンが関わっていた。
一部の製造業者は規制の抜け穴を利用して、製造が最も困難な銃の部品であるアッパーレシーバーとロアレシーバーを、家庭で組み立てる人に向けて販売している。これら部品には製造番号が刻印されていないため、法執行機関の追跡が不可能となっている。
こうした銃のキットは、銃器ショーでも購入者の身元確認を必要とせずに販売されている。
司法省の規制案は、銃のフレームやレシーバーをばら売りする製造業者には製造番号の刻印を、銃の組み立てキットを販売する小売業者には購入者の身元確認を、3Dプリンター製銃を製造・販売する連邦政府の認可を受けた販売業者には、製造番号の刻印を義務付けるもの。
銃による暴力に関する情報サイト「銃暴力アーカイブ(Gun Violence Archive)」によると、米国では昨年、自殺を含めて4万3000人以上が銃によって死亡している。
司法省は今後90日間にわたって意見を募り、新規制を確定する。反対派が阻止するには、裁判所に差し止めを請求する必要がある。(c)AFP