動画:エジプトの「妊婦のミイラ」、世界で初確認 ポーランド
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【5月5日 AFP】ポーランドの研究チームは4月29日、首都ワルシャワの国立博物館(National Museum)が所蔵してきた約2000年前のミイラを分析した結果、妊婦であることを確認したと発表した。エジプトの妊婦のミイラが確認されるのは世界で初めて。
「ワルシャワ・マミー・プロジェクト(Warsaw Mummy Project)」の研究者らによると、妊婦の年齢は20~30歳で、妊娠26~30週目とみられる。
同プロジェクトに参加するポーランド科学アカデミー(Polish Academy of Sciences)のボイチェフ・エスモント(Wojciech Ejsmond)氏は、「ミイラ製作の過程で、胎児が取り除かれなかった理由は明らかになっていない」と述べた。「類似の事例は一切確認されていない。つまり『私たちの』ミイラは、世界で唯一、子を身ごもっていることが確認されたミイラだ」
ワルシャワ大学(University of Warsaw)で人類学と考古学を研究するマルツェナ・オザレクジルケ(Marzena Ozarek-Szilke)氏は、妊娠を隠そうとしていたか、信仰や来世での復活に関連する何らかの意味が込められている可能性があると推測している。
妊婦のミイラは当初、ひつぎに記された古代エジプト文字ヒエログリフの内容から、紀元前1世紀から紀元後1世紀の男性のものと考えられていた。しかし、今ではそれよりも古い可能性があるとみられており、研究者らが考えられる死因について調査を進めている。
妊婦のミイラの体を包む布は開かれていないが、スキャン画像には、肩まである巻き毛が写っていた。
研究結果は、査読付き考古学誌「ジャーナル・オブ・アーキオロジカル・サイエンス(Journal of Archaeological Science)」の最新号に掲載された。
論文には、「これは、妊娠したミイラの知られる限り最初の事例だ(中略)古代における妊娠出産とそれに関わる習慣の研究の新たな可能性が開かれた」と記されている。
妊婦のミイラは19世紀にポーランドに運ばれ、ワルシャワ大学の所蔵品となった。1917年から国立博物館で保管され、ひつぎと共に一般公開されていた。
映像前半は国立博物館に保管されている妊婦のミイラ、4日撮影。後半はスキャン画像、撮影日時不明。(c)AFP