【4月14日 AFP】ニュージーランド政府は12日、銀行などの金融機関に、実施した投資が気候変動に与える影響を報告することを求める世界初の法案を議会に提出した。金融セクターの環境負荷を透明化する目的がある。

 デービッド・クラーク(David Clark)商務・消費者問題相は、法案は銀行や保険会社、投資会社に気候への影響の報告を義務付けるものだと話した。

 クラーク氏は、「世界で初めてこのような法律を導入することで、わが国は真のリーダーシップを発揮して、他国も気候問題関連の情報開示を義務化することへの道を開く機会を得る」と述べた。同氏は、新法によって金融各社は自社の投資が現実世界に与える影響を考慮せざるを得なくなり、市民は各社の影響の大小を評価できるようになるとしている。

 法案が可決されれば、気候への影響の報告が2023年までに義務化される。

 ジェームズ・ショー(James Shaw)気候変動相は、炭素排出量削減策が定着するにつれて排出量の多い事業への投資は魅力的でなくなるという事実が、各社の年次報告によって明確に示されるだろうと述べ、「金融セクターが、自分たちの投資が気候に与える影響を自覚しない限り、2050年までに炭素排出量を実質ゼロにすることなどできない」と語った。

 中道左派のジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は、ニュージーランドが2035年までに全電力を再生可能資源でまかない、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」を達成する目標を掲げている。(c)AFP