【3月24日 AFP】米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)は23日、英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)が行った新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)で古いデータが用いられた可能性があるとして、懸念を表明した。アストラゼネカは前日、自社ワクチンが発症予防に極めて有効だと報告していた。

 アストラゼネカ製ワクチンをめぐっては数週間前から、血栓発症リスクが高まる恐れが取り沙汰されてきた。また欧州では、その供給も問題になっている。

 アストラゼネカは22日、米国で実施した第3相治験の結果、自社ワクチンの発症を予防する有効性は79%だったと報告。

 しかしアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)氏が所長を務めるNIAIDは、「アストラゼネカが古い治験データを含めていた可能性があり、その場合は有効性データが不完全になりかねない」と監視機関が懸念を示したと発表。

 同社に対し、「データ安全性監視委員会(DSMB)と協力して有効性データを見直し、最も正確かつ最新の有効性データを早急に公表する」よう要請した。

 これを受けてアストラゼネカは、「一次分析の初期評価を見直したところ、その結果は中間分析と一致した」と述べ、「48時間以内に一次分析の結果を公表する」方針を示した。(c)AFP