【3月23日 AFP】ラグビーイングランド代表を率いるエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)は、今季のシックスネーションズ(Six Nations Rugby 2021)が不本意な結果に終わったことで、去就に注目が集まっている。

 前年覇者、そして8か国対抗戦オータム・ネーションズカップ(Autumn Nations Cup 2020)の優勝国として大会に臨んだイングランドだが、今季は万年最下位に沈むイタリアの一つ上の5位に終わった。

 20日に行われた最終節のアイルランド戦では敵地ダブリンで18-32で敗れ、今大会はスコットランドとのホームゲームとウェールズとのアウェーゲームでも黒星を喫する悲惨な結果となった。また、この3チームに全敗するのはファイブネーションズ時代の1976年以来となった。

 この3カードで犯したペナルティーは記録的な数となり、全節を通じての得失点差は34年ぶりのマイナスとなった。

 オーストラリア出身のジョーンズHCを痛烈に批判する急先鋒(せんぽう)となっているのは、イングランドの元代表指揮官であるクリーブ・ウッドワード(Clive Woodward)氏だ。

 イングランド代表監督として臨んだ2003年のW杯(Rugby World Cup)決勝で、ジョーンズHCが率いていたオーストラリアを破ったウッドワード氏は、英大衆紙デーリー・メール(Daily Mail)で、「エディー・ジョーンズは窓ではなく、鏡を見るときがきた」と強調した。

「イングランドが下降線をたどる兆しは、ジョーンズがチームの古くさいゲームプランを再構築することや、他の戦力に目を向けることを拒否した2020年を通じて見られていた」

 また元イングランド代表主将のローレンス・ダラーリオ(Lawrence Dallaglio)氏は、ジョーンズHCが指揮官の座にとどまったとしても、コーチ陣を入れ替える必要はあるとの考えを示した。

 ラグビー界で最も高い給与を手にしているジョーンズHCは、昨年4月にイングランドラグビー協会(RFU)と2023年までの契約延長に合意した。しかしながら、契約には破棄条項も含まれているとされている。

 ジョーンズHCは、イングランド代表は「転換期」にあるチームだと繰り返しているものの、先日のアイルランド戦に出場した15人のうち11人が、2019年のW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)決勝で先発した選手だった。

 それでも指揮官本人は、シックスネーションズの5位という順位は「受け入れられない」としつつ、自らの力でチームを立て直せると確信している。

 ジョーンズHCは、「自分たちの向かっている方向性は把握できている」とした上で、「もっと良いプレーをする必要がある。そうできない理由は何もない。こうした時期を経験し、それを乗り越えたチームが、これまでよりも強くなれると考えている」と語っている。(c)AFP/Julian Guyer