【2月28日 AFP】27日に行われたラグビーシックスネーションズ(Six Nations Rugby 2021)の試合で、微妙な判定もあってウェールズに敗れたイングランドのエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)が、判定への不満をのぞかせながらも、「犬を食べさせられなくなる」からと主審に対する批判を避けた。

 ジョーンズHCが「のるかそるか」の大一番と表現した一戦で、イングランドは24-40でウェールズに敗戦。初戦でスコットランドに38年ぶりのホーム黒星を喫していたこともあり、大会連覇の目が事実上消滅した。逆にウェールズはトリプルクラウン(英国勢とアイルランドとの試合で全勝)を獲得し、グランドスラム(全勝優勝)へ前進した。

 イングランドとのテストマッチでは最多となる40得点を挙げ、決定力を見せつけたウェールズだが、前半の2トライはフランスのパスカル・ガウゼル(Pascal Gauzere)主審の微妙な判定で生まれたものだった。

 先制トライはイングランドの反則で試合が止まった流れから、ダン・ビガー(Dan Biggar)がウイングのジョシュ・アダムズ(Josh Adams)へ素早くボールを蹴り出して決まったものだったが、その瞬間、イングランド側はガウゼル主審の指示で主将のオーウェン・ファレル(Owen Farrell)が仲間に反則の説明をしている最中だった。

 リアム・ウィリアムズ(Liam Williams)が決めた2本目のトライでは、攻撃の途中でルイス・リース・ザミット(Louis Rees-Zammit)がノックオンの反則を犯したように見え、本人もそれを自覚したような表情をしたが、ガウゼル主審はテレビジョンマッチオフィシャル(TMO)と相談した上でトライを認めた。

 ジョーンズHCは試合後、ウェールズを「ふさわしい勝者」と認めながらも、前半の主審の判定は「大きかった」と認めた。

 ジョーンズHCは、「その点を議論はできないし、われわれはそうすることを許されていない。私が何か言えば罰金を科されるに決まっているし、誰も得をしない」と話し、「そうなればわが家の犬も食べさせられなくなる。妻も食べさせられない。だから何も言えない」と続けた。(c)AFP