【3月2日 AFP】ワールドラグビー(World Rugby)の審判責任者が1日、先月27日に行われたシックスネーションズ(Six Nations Rugby 2021)第3節のウェールズ対イングランド戦で、パスカル・ガウゼル(Pascal Gauzere)主審が二つのミスをしたことを認めたと明かした。

 カーディフで行われた一戦でガウゼル主審は、前半に致命的な判断ミスを二度犯し、それらはウェールズのトライにつながった。ホームのウェールズは40-24で勝利している。

 先制トライはイングランドの反則で試合が止まった流れから決まったが、イングランドの選手はガウゼル主審の指示で円陣を組んでいる最中だった。

 2本目のトライでは、攻撃の途中でルイス・リース・ザミット(Louis Rees-Zammit)がノックオンの反則を犯したように見えたが、ガウゼル主審はリアム・ウィリアムズ(Liam Williams)のトライを認めた。

 審判責任者のジョエル・ジュージ(Joel Jutge)氏は、仏ラグビー専門紙ミディオリンピック(Midi Olympique)で、ガウゼル主審が二つの判断が誤っていたことを認めたと明かした。

「物事を悪化させるのではなく、透明性を持って、自分の考えを言わなければならないと思う」としたジュージ氏は、「この試合では残念な出来事が二つあったが、それを管理するのは単純ではなかった。28日朝に電話で話をしたが、パスカル・ガウゼルは自分自身でそれを認識している」と語った。

 前半16分のトライは、主審の指示でイングランド主将のオーウェン・ファレル(Owen Farrell)が仲間に反則の説明をしている最中だった。

 イングランドは円陣を組んでいたが、ガウゼル主審がタイムオンを宣言したため、ウェールズはダン・ビガー(Dan Biggar)が素早くボールを蹴り出し、ウイングのジョシュ・アダムズ(Josh Adams)がコーナーにトライを決めた。

 二つ目のトライでは、ガウゼル主審はテレビジョンマッチオフィシャル(TMO)と相談した上でリース・ザミットのノックオンはなかったと判断した。これについてジュージ氏は、「ボールはウェールズのウイングのコントロール下になく、彼の太ももに当たって前に落ちた」とコメントした。

「規定にはコントロールを失ったボールの概念について書かれていないため混乱を招いた」

「だがもしノックオンの笛を吹いていたとしても、誰もそれに抗議することはできなかったというのが現実だ」 (c)AFP