【3月18日 AFP】台湾で、回転ずしチェーンが名前に「鮭魚(サケ)」という漢字が含まれる人を対象に食べ放題が無料になるキャンペーンを打ったところ、便乗して改名する人が相次ぎ、政府が苦言を呈する事態に発展した。

 このキャンペーンは、身分証明書の氏名に「鮭魚」の2字が含まれていれば、本人と同伴者5人の食べ放題コースが無料になるというもの。17日と18日の2日間にわたって実施したところ、若者を中心に約150人が役所に殺到して改名手続きをとる騒ぎとなり、「サーモン・カオス」と報じられている。

 台湾では戸籍の改名が3回まで可能。だが、台湾の内政部(内務省)にとって、この騒動は面白くなかったようだ。陳宗彦(Chen Tsung-yen)政務次長(副大臣)は18日、「このような改名は時間を無駄にするだけでなく、不必要な事務手続きの原因となっている」と報道陣に語り、「行政資源を大切に」するよう人々に呼び掛けた。 

 南部・高雄(Kaohsiung)に住む大学生は、「午前中に『爆震鮭魚』に改名して、もう7000台湾ドル(約2万7000円)分は食べた」とTVBSニュースに語った。

 また、三立テレビ(SETTV)の取材に応じた女性は、「ファーストネームを『鮭魚』に変えてきた。友達2人も変えた」と話した。「後で元の名前に戻すつもり」だという。

 地元メディアは他にも、「鮭魚王」や「鮭魚炒飯」に改名した事例を報じている。聯合報(United Daily News)によると、「鮑(アワビ)」や「蟹(カニ)」「蝦(エビ)」など魚介類の漢字を中心に、新たに36字を元の名前に追加して改名した人もいるという。(c)AFP