【3月19日 Xinhua News】中国ではペットを飼う若者が増えており、ペット保険市場も活発になっている。

 ペットに関する最大の支出項目にはペットフードとおもちゃのほか、医療費も挙げられる。ペットの医療費は頻度が高く、料金が高いという特徴がはっきりしており、若者のペット愛好家の多くがリスクに目を向け始め、ペットのための保険に加入している。

 現在、ペット保険の種類には①ペットの治療費を補償する医療保険②ペットが第三者に損害を与え、賠償責任を負った場合に補償する賠償責任保険③ペットの託送中に発生し得る想定外のリスクに備える託送保険──などがある。

 中国では十数年前にペット用賠償責任保険を手がける保険会社が登場。ペット保険はそこからスタートし、ラインアップも徐々に豊富になってきた。現在はペット用医療保険の発展の勢いが最も盛んで、最も大きな潜在力を誇っている。

 調査会社の前瞻産業研究院はリポートで、ペット用医療保険は国際的にかなり成熟しているものの、国内ではまだ数が少ないと指摘。中国ではペット保険を取り扱う保険会社が少なく、しかも基本的に北京や上海など大都市でしか展開していないとの見解を示した。

 ただし、ここ2年でペット保険分野に導入されたテクノロジーにより、この種の保険が市場で勢力を伸ばせる可能性も出ている。例えば、ペットの鼻のしわ(鼻紋)を用いた識別技術による個体識別が実現。中国電子商取引(EC)最大手アリババグループ(Alibaba Group)傘下の電子決済サービス「支付宝(アリペイ、Alipay)」は犬・猫の鼻紋識別技術を公開するとともに、損害保険会社の衆安在線財産保険、大地財産保険と共同で同技術を活用したペット保険を発売した。中国人寿財産保険も関連保険商品にこの技術を導入することで、ペットをスピーディーかつ正確に特定するという問題を解決。保険加入や保険金支払いの際に各種証明書類を提示する煩雑な手続きが不要になり、経営上のリスクを適切に管理できるようになっている。(c)Xinhua News/AFPBB News