【2月1日 AFP】過去に日本で起きた予防接種に関わる問題の数々。新型ウイルス感染症拡大の第3波のさなか、それが同国内でのコロナワクチン投与の展開に影響する可能性があると専門家は懸念する。

 先進国では近年、ワクチン忌避、さらには反ワクチンといった動きが広がっているが、日本では国民の疑念は何十年も前にさかのぼる。

 すでに英国や米国では数百万人が新型コロナウイルスに対する予防接種を受けているが、日本での開始は早くても2月下旬になる。

 接種に対する国民の懸念を払しょくする目的もあるのか、菅義偉(Yoshihide Suga)首相は自ら率先して接種すると表明した。

 調査会社イプソス(Ipsos)と世界経済フォーラム(World Economic Forum)とが昨年12月に行った調査によると、日本でワクチンを希望するのは回答者のうち60%程度だ。それに対し、中国は80%、英国77%、韓国75%、米国69%だった。

 NHKの世論調査では、「接種したい」という回答が半数だった一方、「接種したくない」という回答が38%を超えている。

 日本でのワクチン不信は、被害をめぐる訴訟、メディアの誤情報、さらには政府の過剰なほどの慎重な姿勢の悪循環が原因だと専門家らは指摘する。

 日本人がワクチン接種に「消極的」なのは「政府の情報に対する信頼がないから」と、感染症学専門で国際医療福祉大学(International University of Health and Welfare)の矢野晴美(Harumi Yano)教授がAFPに語った。