【1月25日 AFP】異常気象事象に関連した自然災害による過去20年間の死者が50万人近くに上ると、ドイツの環境シンクタンクが新たに発表した評価報告書で明らかになった。

 暴風雨や洪水、熱波など気候関連の災害による死者数は、開発途上国で圧倒的に多くなっている。

 新型コロナウイルスの影響で今年はオンライン開催となった気候適応サミット(CAS)の冒頭で、ジャーマンウオッチ(Germanwatch)は、調査報告書「グローバル・クライメート・インデックス(Global Climate Index)」を発表。

 この報告書では、特にカリブ海(Caribbean Sea)地域や東アフリカ、南アジアの一部に壊滅的被害を与えたハリケーンやサイクロンが発生した2019年の暴風雨シーズンなど、過去20年間の異常気象事象が人類に与えた直接的脅威についてまとめられている。

 同団体は、こうした災害による今世紀の世界の経済損失は2兆5600億ドル(約266兆円)という膨大な額に上ったと試算している。

 また1万1000件以上の異常気象事象を分析したところ、2000年以降で48万人近くが犠牲となり、死者数が最多だったのは、プエルトリコ、ミャンマー、ハイチだったという。

 報告書の共著者であるデービッド・エクシュタイン(David Eckstein)氏は、「貧しく脆弱(ぜいじゃく)な国々が、異常気象事象の影響に対応する上で特に大きな難題に直面していることが示された」と述べ、これらの諸国が経済や技術面で援助を緊急に必要としていると指摘した。(c)AFP/Patrick GALEY