【1月15日 AFP】ドイツのブーヘンバルト追悼財団(Buchenwald Memorial Foundation)は14日、ナチス・ドイツ(Nazi)のブーヘンバルト(Buchenwald)強制収容所の跡地での雪遊びをやめるよう呼び掛けた。大勢が埋葬された場所でソリ遊びをした人もいるという。

 同財団は、ドイツ東部にあるブーヘンバルト強制収容所とミッテルバウ・ドーラ(Mittelbau-Dora)強制収容所の跡地での雪遊びを控えるよう訪問者らに求め、そうした行為は「冒涜(ぼうとく)的」だと批判した。

 同財団は、「スポーツ活動は利用規則に違反し、死者の安息を乱す」と述べ、警備員による巡回を強化し、侵入者は警察に通報すると警告した。

 同財団のイエンスクリスチャン・ワグナー(Jens-Christian Wagner)理事長は独誌シュピーゲル(Der Spiegel)オンライン版に対し、先週末には日帰り旅行者の「集団」が訪れたと語った。

 ほとんどの人の目的は雪遊びで、「ソリの跡の中には、埋葬地に達しているものもあった」という。

 ワグナー氏は、特に新型コロナウイルスによる全国的なロックダウン(都市封鎖)期間中は、子どものいる多くの家庭が外で過ごしたがっていることは理解できるが、訪問者には適切なふるまいを期待すると語った。

 ワグナー氏は「時間がたつにつれて、歴史への配慮が薄れている」と指摘している。

 ブーヘンバルト強制収容所とミッテルバウ・ドーラ強制収容所では第2次世界大戦(World War II)中、子どもを含む7万6000人以上がナチスによって殺害されたか、病気や寒さ、飢餓で死亡している。(c)AFP