【1月15日 AFP】米国防総省は14日、極右勢力や白人至上主義勢力が米軍内部で積極的な勧誘活動を展開し、この1年間で支持を広げていると報告した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の過激な支持者らが連邦議会議事堂に乱入し、議事が中断する事態となったことを受けて、国防総省は軍内部に過激思想がどの程度浸透しているか調査を開始すると発表した。

 匿名で取材に応じた国防総省幹部は報道陣に対し、軍内部で過去1年の間に極右の活動が増加していると述べた。ただし、この傾向は社会全体にみられるという。

 同幹部は、「一部の組織がわが軍の兵士を積極的に引き抜こうとしたり、わが軍の技術や経験を獲得しようとメンバーにわが軍への入隊を奨励していることを把握している」と述べた。

 さらに、「一部の組織ではそうした技術が、組織力の向上だけではなく、彼らの大義に正当性をもたらすために重宝されていると認識している」と語った。

 軍内部に極右が浸透している問題は以前からあったが、議会乱入に警察官だけでなく現役軍人や退役軍人も関与していたことが判明したことで、改めて浮き彫りになった。

 例えば、心理作戦のスペシャリストであるノースカロライナ州の女性大尉は、連邦議会議事堂での抗議デモに約100人を組織的に動員していた。女性大尉はその後、軍を辞めている。(c)AFP