【1月24日 AFP】柔らかな光が差した仏パリの工房。裁縫師らが、上質なカレー(Calais)産のレース生地を慎重に扱いながら、繊細な模様部分にビーズやスパンコールを黙々と縫い付けている。ここは、高級ランジェリーブランド「リヴィー(Livy)」の制作現場だ。

 制作日数はオートクチュールのブラジャーで2日、ビスチェ(肩ひもがなく、丈がウエストまであるブラジャー)で3日。裁縫師らによれば、コルセットは相当の経験が必要とされ、「いかにもフランスらしい」ランジェリーだ。20工程を経て、15種類の素材が用いられるアイテムもある。作業工程には、忍耐と正確さが求められる。

 限定コレクションのランジェリーはすべて手作業で、専ら結婚式や著名人が集うイベント用に仕立てられる。その他はプレタポルテ(既製品)で、主に二つの客層をターゲットに設計されている。刺激的でありながら控えめなデザインを求める客もいれば、機能性よりも派手さ、ランジェリーにファッションアイテムの役割を求める客もいる。後者に好まれるのは、繊細でセクシーなストラップや、ちら見せできるレースなどだ。

 デザイナーのリサ・シャビー(Lisa Chavy)氏(39)は大手ブランドのデザインを手掛けてきた。200年もの間でランジェリー史を誇るフランスで、よりモダンで新しいものを生み出したいと考え、3年前にリヴィーを立ち上げた。

「自分が心から身に着けたいと思うランジェリーが、全く見つからなかったのです」と話す。

 リヴィーのランジェリーは、胸の形をナチュラルに見せることを目的としたクッション性のあるブラや補正器具をあえて用いず、優美な雰囲気をつくり出すため、繊細で複雑なレース模様にこだわってデザインされている。(c)AFP