【12月31日 AFP】パキスタン北西部で30日、イスラム教徒1000人強がヒンズー教寺院を襲撃、放火した。警察と複数の目撃者が明かした。

 ソーシャルメディア上で拡散されている複数の動画には、男たちがハンマーで寺院の壁をたたく場面や、寺院から黒い煙が立ち上る様子が映っている。

 現場は、北西部カイバル・パクトゥンクワ(Khyber Pakthunkhwa)州の州都ペシャワル(Peshawar)から南東に約100キロ離れたカラク(Karak)地区にある辺境の村。

 カラク地区の警察本部長は、「地元のイスラム教指導者らが、1000~1200人の暴徒をたきつけ、このヒンズー教寺院を破壊させた」とAFPに語った。

 警察本部長によると、このヒンズー教寺院への不満は長年にわたってくすぶっていたが、最近改修が行われてから特に高まっていた。

 地元の住人スラマン・カタック(Sulaman Khattak)さんはAFPに対し、暴徒はイスラム教指導者らの演説を聞いた後、ヒンズー教寺院に向かったと証言。暴徒は襲撃の支度を整えていて、中にはハンマーや燃料携行缶を持った者もいた。

 人口の97%をイスラム教徒が占め、ヒンズー教徒が2%にすぎないパキスタンで、宗教的少数派への差別と暴力は珍しくない。(c)AFP