【12月10日 AFP】欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は9日、同庁にサイバー攻撃があったと明らかにした。米製薬大手ファイザー(Pfizer)は、この攻撃で同社と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が開発したワクチン候補の規制当局への承認申請に関する文書に「不正アクセス」があったと発表した。

 オランダ・アムステルダムに本部を置くEMAはサイバー攻撃について、現在捜査が進められていると表明。攻撃の発生時期や標的についての詳細は明らかにしていない。AFPは詳細を問い合わせたが、同庁の報道官は発表以外のコメントを控えた。 

 一方、ファイザーは文書で、「この件に関し、ビオンテック、ファイザーどちらのシステムに対しても攻撃はなく、個人情報がアクセスされたかわれわれは認識していない」と強調した。

 EMAは、ファイザーとビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチンの条件付き認可について遅くとも12月29日までに開く会議で決定を行うと表明している。米製薬大手モデルナ(Moderna)の開発したワクチンに関する会議は、来年1月12日までに行われる見通し。EMAはこのほか、英オックスフォード大学(University of Oxford)と英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)、さらに米日用品・製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の開発する両ワクチンについても審査を進めている。(c)AFP/Danny KEMP