【11月28日 AFP】テロ攻撃による2019年の世界の死者数は5年連続で減少した一方、欧米では「極右テロ」が増加したことが25日にシンクタンクが公表した「世界テロリズム指数(GTI)」で明らかになった。

 経済平和研究所(IEP)が発表した2020年の世界テロ指数によると、2019年のテロによる死者数は1万3826人と前年より15%減り、ピークだった2014年からの減少が続いた。

 北米、西欧、オセアニアの極右テロによる2019年の死者は89人で、2014年から250%増加した。「過去50年間で最も多い」とIEPは警告している。

 ただ、テロの主要な要因は依然として紛争で、2019年のテロによる死亡事例の96%以上がすでに紛争が起きている国で起きたと強調した。

 データでは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が始まって以来、テロ事件や死者数が減少していることが示されているが、現在の公衆衛生の状況がテロ対策にこれまでとは異なる課題をもたらす可能性が高いと、IEPは指摘している。

 IEPは、新型コロナによる「長期的な経済の低迷」が「政治的不安定と暴力を増大させる可能性が高い」としている。(c)AFP