【11月19日 AFP】イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相は18日、米大統領選で勝利を確実にしたジョー・バイデン(Joe Biden)氏が過去2年間に米国が科してきた制裁を解除すれば、イランは「機械的に」核合意順守を再開すると表明した。

 ザリフ氏は国営イラン・デーリー(Iran Daily)に掲載された論説で、イランが核合意の義務を再び履行するようになるのは「機械的に可能で、無条件で交渉さえも不要」と述べた。一方、ハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領はドナルド・トランプ(Donald Trump)政権を「規則に従わない」と指摘。バイデン政権は歴史的な核合意が成立した2015年の「雰囲気を取り戻す」ことが可能との見解を示した。

 トランプ氏は2018年、米国を一方的に核合意から離脱させ、対イラン制裁を再発動、その後さらに強化した。数十年続く米・イラン間の緊張はこれでさらに高まり、イラン経済は大きな打撃を受けている。トランプ氏がイランに最大限の圧力を加え同国を世界で孤立させようと努めたのに対し、バイデン氏はこれまでイランに「外交に復帰する確かな道」を提案すると表明している。

 ザリフ氏は、国連安全保障理事会(UN Security Council)決議第2231号を「米国が順守し、制裁が解除され、イランの経済活動に対する障害がなくなれば」、イランが核合意の履行義務を順守すると言明した。(c)AFP