【3月10日 AFP】(写真追加)イランで、アルコールを摂取すれば新型コロナウイルス感染症の治療の一助になるとうわさされた後、メタノール中毒により27人が死亡した。国営イラン通信(IRNA)が9日、報じた。

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 IRNAによると、南西部のフゼスタン(Khuzestan)州で20人、北部のアルボルズ(Alborz)州で7人が、密造酒を飲んだ後に死亡したという。

 フゼスタン州の州都アフワズ(Ahvaz)にあるジュンディーシャープール(Jundishapur)医科大学は、中毒症状を示した218人が入院したと発表。中毒が発生したのは「アルコールを飲めばコロナウイルス感染症の治療に効果があり得るとのうわさ」が原因だったとしている。

 一方でアルボルズ州の検察当局者もIRNAに対し、犠牲者らは「インターネット上の情報にだまされ、コロナウイルスと闘って治療しているのだと思い込んで」メタノールを飲んだと話している。

 メタノールを大量摂取すると、失明や肝臓障害を引き起こし、死に至ることもある。

 イランでは、イスラム教徒以外の宗教的少数派を除き、アルコールの摂取は禁じられているが、地元メディアは密造酒による死亡事件をたびたび報じている。(c)AFP