【11月20日 CNS】ごみ分別を義務化した「北京市生活ごみ管理条例」が5月1日に施工されてから半年が経過し、家庭ごみの無害化処理率は100%に達し、ごみ処理施設の処理量は32%も減った。

 人口2100万人を擁する北京市では、昨年のごみ搬出量は1011万トンに上る。1日平均2万7700トンで、ごみ処理施設の能力の限界近くに迫っている。

 条例では、ごみを「生ごみ」「資源ごみ」「有害ごみ」「その他のごみ」の4種類に分別して捨てることを義務化。外食サービス業は使い捨てのはしやスプーンを自ら提供することが禁じられ、ホテルは使い捨ての歯ブラシやくしを自ら提供することができなくなった。個人が違反した場合、最初は管理者からの注意、その後も続くと書面の警告、さらに繰り返すと50元(約795円)以上200元(約3181円)以下の罰金が科せられる。企業が違反した場合は1000元(約1万6000円)の罰金で、その後も続くと最大5万元(約79万円)以下の罰金となる。

 北京市都市管理委員会の李如剛(Li Rugang)副主任によると条例の施行以来、ごみ分別により家庭の生ごみの量が大幅に上昇。条例以前の1日あたり309トンから10月は11.7倍の3946トンに増えた。飲食業の1日あたり1857トンの生ごみを加えると、合計5803トンに達した。

 ごみ分別の徹底により、家庭ごみの無害化処理率は100%を達成。資源ごみなどが分類されたことで、処理施設が受け入れている生ごみとその他のごみは1日平均1万6000万トンとなり、前年同期比で32%減少した。条例施行に伴い、6万1400か所のごみ捨て場で分別ボックスが導入され、ごみ収集ステーションが916か所新設された。これにより、ごみの収集作業も大きく向上した。

 北京市民政局の趙済貴(Zhao Jigui)副局長は「条例施行後、多くの住民がごみ分別に取り組んでいるが、一部の家庭では分別の習慣が浸透していない」と指摘する。北京市はごみ分別を奨励するため、ごみを分別して捨てる住民にポイントを付与し、日用品と交換できる制度を導入。各地のごみ捨て場で職員が分別をサポートする態勢も強化する。その一方で、何度も違反を繰り返す住民に対しては氏名の公表やブラックリストに掲載するなどの措置を検討している。(c)CNS/JCM/AFPBB News