【11月14日 AFP】男子テニス、世界ランク7位のアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)は13日、自身が直面している暴行疑惑について口を開き、テニス界にネガティブな注目を集めたことを謝罪するとともに、元交際相手による同選手の人物像は「本当の自分ではない」と主張した。

 ロシアの元ジュニア選手であるオルガ・シャリポワ(Olga Sharypova)さんは先月、昨年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2019)大会期間中にズベレフに「首を絞められた」とソーシャルメディア上で告発。さらにその後、テニス関連の雑誌ラケットマガジン(Racquet magazine)のインタビューでは、同選手から受けた虐待行為で自殺を図ろうとしたと訴えた。

 先日には別の元恋人との間に子どもができたことも判明したズベレフは、自身のインスタグラム(Instagram)にシャリポワさんの主張を否定する短いコメント文を投稿したが、この騒動に関する疑問についてそれ以上の回答は避けていた。

 しかし、年間上位8人が出場するATPファイナルズ(ATP Finals 2020)を控えた英ロンドンでの記者会見で、ズベレフはそれまでの沈黙を破り、「多くの人々が、僕が口を閉ざしている理由や、なぜ何も言わないのか聞いてきた」「一連の告発についてはとても残念に思っているが、最初に主張した通りあの話はでたらめで、これからも否定し続けていく」と語った。

 2018年にファイナルズを制しているズベレフは、告発内容が根も葉もないうそであると改めて強調し、「いろいろ浮き沈みはあったけれど、世間で言われているような僕らの関係は事実とは違っている」「それは本当の自分ではないし、両親からそんな育てられ方はしていない。自分はそういう人間ではない」と話した。

「このような間違った主張がこの競技や外の世界、そして僕自身に影響を及ぼしていることは悲しい。注目が競技からそれてしまっていることを心から謝罪する。僕らはテニスをすることが大好きだ。そのためにここにいる」

 無観客のO2アリーナ(O2 Arena)で開催される今年のファイナルズは15日に開幕し、ズベレフは16日の初戦でダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)と対戦する。(c)AFP