【11月28日 AFP】中国・北京の高級アパートに呼ばれた片付け専門家チームは、クローゼットの服の山からバーバリー(Burberry)のジャケットを引っ張り出した。

「どうやって見つけたの?」と言った家主のチェン・ルイ(Chen Rui)さん(32)は、買ったことさえ思い出せなかった。収拾がつかなくなった高級服をプロの「ホームオーガナイザー」に片付けてもらおうという考えは正しかった。

 中国では過去40年間の猛烈な経済成長によって、新富裕層が財力をひけらかすために、金に糸目を付けずにブランド品を買い込むといった誇示型の消費が激増した。

 米コンサルティング大手マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)が発表した2019年の「中国ラグジュアリー(高級品)リポート」によると、全世界の高級品消費の3分の1を中国人が占めている。

 元美術教師で、今は専業主婦のチェンさんのウオークインクローゼットには、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)やシャネル(Chanel)、グッチ(Gucci)、プラダ(Prada)といったブランド品があふれている。それが原因で以前は夫と頻繁に口論にもなった。

「コレクションはどれ一つ、捨てたことはありません。増えていっただけです」。ただ買い物にふけるのが楽しいのだとチェンさんはいう。「自分を抑える必要はありませんから」

 しまいにクローゼットがあふれ途方に暮れたチェンさんは、ブランド服を救済してくれる強力な片付け専門家チーム4人を雇うことにした。無駄のない黒いユニホームを着た片付けのプロたちは、高級アパートの中をせっせと動き回り、クローゼットの中から1000点以上の服と数十点の高級ハンドバッグを取り出した。