【11月9日 AFP】台湾は9日、世界保健機関(WHO)が同日開催する、新型コロナウイルスを中心議題とする年次総会への参加が中国の「妨害」によって阻まれたと主張し、WHOは公衆衛生より政治を優先していると非難した。

 同ウイルスにより世界の多くの地域で死者や感染者が急増する中、台湾における死者はわずか7人、感染者も600人に満たず、感染拡大の抑制で顕著な成果を上げている。しかしWHOからは、中国により閉め出されている。

 台湾外交部は9日、5月に同ウイルスの世界的大流行により日程が短縮され、同日オンライン形式で再開されるWHOの年次総会について、台湾を招待しないとするWHOの決定は「政治的思惑」によるものだと断定。「台湾の参加を中国が妨害した」として、「深い遺憾と強い不満」を表明した。

 台湾は2009~16年には、「中華台北」の名称でオブザーバーとしてWHO年次総会に参加していた。だが蔡英文(Tsai Ing-wen)氏が総統に選出された2016年以降、中国が台湾の参加を阻止してきた。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は台湾の参加について、「関係政府」の合意の下、加盟諸国の判断のみに委ねられると述べており、この「関係政府」とはつまり中国を示唆しているとみられている。(c)AFP