【10月9日 AFP】アルメニアは8日、同国とアゼルバイジャンの係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)にある歴史的な大聖堂、聖救世主大聖堂(Ghazanchetsots Cathedral)を砲撃したとして、アゼルバイジャンを非難した。

 アルメニアによると、最初の砲撃でがれきが床一面に散乱し、複数の信徒席が倒され、大聖堂内は石灰岩の壁の一部から出たほこりに包まれた。その後の攻撃で複数のジャーナリストが負傷し、AFP記者によれば、大聖堂の屋根には大きな穴が開き、金属製の屋根の一部が聖堂の外に崩落した。

 大聖堂の近くに住む人は「ここには軍も戦略的なものも何もない。どうして教会を標的にするのか」と嘆いた。

 アゼルバイジャン・アルメニア両国の国防当局によると、戦闘は8日も継続。双方は相手側に大きな損害を与えたと主張し、相手側が自国の民間人居住地域を砲撃したと互いを非難している。

 一方、スイス・ジュネーブでは同日、戦闘の激化回避を目指し、仲介各国が協議を行う見通しとなっているが、この協議により事態が大きく好転する見込みは低く、アルメニアが不参加の非公開の協議では声明が発表される見通しも立っていない。(c)AFP/Hervé BAR