全仏OPは時代遅れ? 選手からライン判定技術導入の声高まる
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【10月5日 AFP】全仏オープンテニス(French Open)は四大大会(グランドスラム)の中でようやく最後にメインコートの屋根と照明を設置したが、英国のホークアイ(Hawk-Eye)社などが開発したボール追跡システムに関しては明確に「ノー!」の姿勢を貫いている。
2006年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships)において、グランドスラムで初めてライン判定技術が導入されてから14年が経過している中で、ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)は現在も判定は線審と主審の鋭い目視に頼り、赤土にくっきりと刻まれる打球の跡を見分けている。
今大会の男子シングルス2回戦で5時間に及ぶフルセットの激闘の末に、ロベルト・カルバレス・バエナ(Roberto Carballes Baena、スペイン)に敗れた第9シードのデニス・シャポバロフ(Denis Shapovalov、カナダ)は、試合後に「いつになったらローラン・ギャロスの赤土にホークアイが設置されるのだろうか?」とツイートした。
その投稿には、ボールがベースラインを大きく越えたことを示すテレビ映像のスクリーンショットが添えられていた。実際にはインと判定されたが、正しくコールされていれば、シャポバロフは第5セットでマッチポイントを握っていたはずだった。
シャポバロフの意見にはいくつか力強い声が集まっている。2日には今年の全米オープン覇者で世界ランク3位のドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)が、キャスパー・ルード(Casper Ruud、ノルウェー)を下して16強入りを決めた試合後に、「クレーコートでのホークアイ導入に100パーセント賛成する」と話し、全仏でのライン判定技術導入を支持した。
この試合では、ルードもシャポバロフと同様に誤審とみられる判定にいら立つ場面があったが、ティエムは「審判のミスではない。打球の跡が見えないときもあるからだ。特にセット間にはコートをならしてラインを掃いたりするから、どこからが打球の跡なのか判断するのは不可能なので、判定はかなり難しい」との認識を示した。
クレーコートでは今年2月のリオ・オープン(Rio Open 2020)でライン判定技術が試験導入されており、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)でシーズンが中断されなければ、欧州のクレーコートシーズンでも再び使用されることになっていた。
同システムを実際に経験した数少ない選手の一人であるティエムは、「リオで導入されたフォックステン(FoxTenn)社のシステムはよく機能していた。自分は3試合プレーしたが、特に問題はなかった」と語った。
「だから、来年はすべてのクレーコート大会で、このシステムが使用されることを願っている」