米NY市で増える銃犯罪、不安隠せぬ地域住民「もううんざり」
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【10月2日 AFP】夏の終わりの晴れた土曜の午後、例年であれば、米ニューヨークのブルックリン(Brooklyn)地区ベッドフォードスタイベサント(Bedford-Stuyvesant)にあるレイモンドブッシュ(Raymond Bush)公園は利用者であふれている。だが、今は通常ではない。公園はひっそりとしている。
園内には数多くの木が植わっているが、そのうちの1本の根元には、ぬいぐるみや風船、ろうそくが置かれている。これらは今年7月12日、流れ弾に当たって死亡したダベル・ガードナー(Davell Gardner)ちゃん(当時1歳)を追悼するために置かれたものだ。事件当日、ダベルちゃんと家族は公園でバーベキューを楽しんでいた。
ダベルちゃんの父親ダベル・ガードナー・シニア(Davell Gardner Sr.)さん(25)は、「ひどすぎる。もううんざりだ。毎日、誰かが撃たれている。誰かが命を落としている」「こんなことはもう終わりにしないと」と憤る。
ニューヨーク市内ではここ数か月、こうした銃がらみの残酷な事件が多発している。ベッドフォードスタイベサントももちろん例外ではない。
■悲しい誕生日
ガードナーさんは8月、息子の誕生日を祝った。生きていれば2歳となるはずだった。
誕生日を祝うため、ガードナーさんはアフリカ系の住民が多いベッドフォードスタイベサントの別の公園に食べ物とケーキを持ち込んだ。集まりには、親戚や家族、警察、それと銃犯罪をなくそうと活動するグループ「セーブ・アワー・ストリーツ(Save Our Streets)」に従事する地域の若者らを招いた。
「発砲事件以降、あの公園を訪れる人は減っている。子どもたちが遊びたいと思う場所ではなくなってしまった」とガードナーさんは話す。「みんな、二度と会うことができない誰かが出てしまうことを恐れているんだ」
ニューヨークでは5~8月、180件の殺人事件が起きている。昨年の同期と比べると51%の増加だ。また発砲事件は約800件起きており、これも同140%の急増を示した。
こうした事件では、その犠牲者の多くがアフリカ系やヒスパニック系となっており、そして加害者もまた黒人やヒスパニック系が多い。