【9月17日 AFP】フランスの裁判所は16日、ロシアのドーピング隠蔽(いんぺい)事件に関する汚職で、国際陸上競技連盟(IAAF、現ワールドアスレティックス〈World Athletics、世界陸連〉)の前会長であるラミーヌ・ディアック(Lamine Diack)被告に対し、禁錮4年(うち2年は執行猶予)の有罪判決を言い渡した。

 16年間にわたりIAAFの会長を務めた87歳のディアック被告には、罰金50万ユーロ(約6280万円)も科されている。

 検察は「完全保護」と称される不当なシステムの下で、IAAFの反ドーピング機関が薬物摂取を隠蔽し、2012年のロンドン五輪とその翌年の第14回世界陸上モスクワ大会(14th IAAF World Championships in Athletics Moscow)に出場できるようにする代わりに、ロシア選手が320万ユーロ(約4億円)を支払ったと主張。

 ディアック被告は、2011年のドーピング検査で失格となったロシア選手23人の処分を遅らせたのは、自分の指示だったと供述したが、IAAFの職員がロシア選手に対して直接的あるいは間接的に口止め料を要求していた事実を知っていたことについては否定した。

 同被告は「主な目的はIAAFの経営状態のため」だったとし、ロシアの外国貿易銀行(VTB)や同国国営テレビRTRなど、スポンサー候補との交渉が妨げられるのを防ぐためだったと弁明した。

 仏パリ裁判所の判事は、この行いが「反ドーピングの闘いに深刻な痛手を与えた」としている。

 また、ディアック被告の息子で、IAAFでマーケティング顧問を務めていたパパ・マッサタ・ディアック(Papa Massata Diack)被告も同様の罪で禁錮5年、罰金100万ユーロ(約1億2500万円)を科されている。(c)AFP/Andrea BAMBINO