『ムーラン』に再びボイコットの声 新疆での撮影判明
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【9月9日 AFP】ディズニー(Disney)の実写版映画『ムーラン(Mulan)』の一部シーンが、イスラム教徒に対する人権侵害の横行が指摘されている中国の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で撮影されていたことが明らかになり、同作のボイコットを呼び掛ける声が再び起きている。
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2億ドル(約210億円)をかけ製作された大作のムーランをめぐっては昨年、主演女優の劉亦菲(リウ・イーフェイ、Liu Yifei)が香港警察による民主派デモ取り締まりを支持する発言をしたことで政治的論争が起き、ボイコットの声が上がっていた。
だが同作は先週、ディズニーの公式動画配信サービス「ディズニープラス(Disney+)」での公開直後にも新たな論争を巻き起こした。
視聴者らは、同作のエンドロールでディズニーが「深い感謝」の意を表明した協力機関に、新疆ウイグル自治区の8政府機関が含まれていることを発見。その中には、複数の収容所の所在地として知られる同自治区東部トルファン(Turpan)市の公安当局や、中国共産党のプロパガンダ機関の名もあった。
新疆ウイグル自治区では、イスラム教徒系少数民族のウイグル人やカザフ人に対して収容所への大量連行や不妊手術の強要、強制労働、信仰や移動の厳しい制限といった弾圧が行われていることが、人権団体や学者、ジャーナリストらによって暴かれてきた。
米映画業界は中国の強権支配に対する迎合姿勢で批判を受けており、ムーランをめぐる今回の新事実発覚は新たな怒りの声を巻き起こした。
米NPOアジア・ソサエティ(Asia Society)のシニアフェロー、アイザック・ストーン・フィッシュ(Isaac Stone Fish)氏は米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)への寄稿で、「ディズニーは新疆のプロパガンダ部門4つと公安局1つに感謝した。新疆は現在、世界で最も悪質な人権侵害が起こっている場所の一つだ」と指摘した。(c)AFP/Jerome TAYLOR