【8月29日 AFP】インドでは、人々が新型コロナウイルスの安価な防護用品を先を争って手に入れようとする中、病院のごみ捨て場から拾い集められた使用済みマスクや手術用手袋の闇市場が急拡大し、警察当局が取り締まりを進めている。

 同国西部ナビムンバイ(Navi Mumbai)の警察当局は28日、洗った後に乾燥させ、販売用に梱包(こんぽう)された修繕済みの使い捨て手術用手袋380万組を、犯罪組織から押収したと発表した。

 スバース・ニカム(Subhash Nikam)捜査官はAFPに対し、「彼らはさまざま病院から使用済み手袋35トン近くを調達し、販売業者に格安価格で売る用意をしていた」「6000~1万組を何とか販売し、残りの品を委託するために複数のバイヤーと連絡を取り合っていた」と述べた。

 容疑者4人は、詐欺および感染症を拡大させて人々の命を危険にさらしたとして訴追されたという。

 13億人の人口を抱えるインドでは、個人防護具(PPE)の需要が急激に高まっている。同国の公式統計によると、28日には累計感染者数が340万人に達し、死者も6万人を超えている。

 インドでは新型コロナウイルスの流行前から、使い捨てられた注射器など、廃棄された医療用具の巨大な市場が存在していた。使い捨て注射器をめぐっては長年、エイズウイルス(HIV)や肝炎の感染拡大の原因とみられてきた。(c)AFP