【8月24日 AFP】(更新、写真追加)フィリピン南部の過激派の拠点となっている島で24日、自爆犯が関与した2度の爆発があり、少なくとも14人が死亡、75人が負傷した。死傷者には、治安当局者らや一般市民も含まれるという。

 連携したものとみられる2度の攻撃は、イスラム教徒が人口の多数を占める同国南部スルー(Sulu)州ホロ(Jolo)島で発生。同州では治安部隊がイスラム過激派「アブサヤフ(Abu Sayyaf)」と長い間戦闘を繰り広げている。

 同国軍幹部は記者団に対し、最初の爆発はまず正午ごろに発生したと説明。スーパーマーケットの前に止められたバイクに取り付けてあった即席爆発装置(IED)が爆発した。

 2度目の爆発はその直後に発生。同じ道路で警察官が現場付近を封鎖していた際、女の攻撃犯が自爆した。兵士が女を拘束しようとしていた際に、女が爆発物を起爆させたとされる。

 2度の爆発で、兵士7人、警察官1人、民間人6人が死亡。負傷したのは民間人48人、兵士21人、警察官6人だった。

 軍の別の幹部は、2度の爆発へのアブサヤフの関与は「ほぼ確実」との見方を示している。

 米国がテロ組織に指定しているアブサヤフは、イスラム過激派が形成している緩やかなネットワークで、フィリピン国内で最悪の被害を出した複数の攻撃に加え、外国人観光客やキリスト教宣教師らの拉致に関与しているとみられている。

 また東南アジアにカリフ制国家の樹立を目指すイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の戦闘員らともつながりがある。

 今月に入り、フィリピン南部ミンダナオ(Mindanao)島でアブサヤフの指導者の一人が逮捕され、治安当局が報復攻撃の可能性を警戒していた。(c)AFP