【7月29日 AFP】2019年に殺害された環境活動家が少なくとも212人と、過去最多となったことが、国際NGO「グローバル・ウィットネス(Global Witness)」の29日の報告書で明らかになった。殺害された活動家らは、自然破壊行為との闘いの最前線で活動していた。

 国別ではコロンビアとフィリピンがそれぞれ64人、43人で、全体の半数以上を占めた。コロンビアは前年に比べ倍増した。次いでブラジル、メキシコ、ホンジュラス、グアテマラの順。

 グローバル・ウィットネスによると、報告されなかったり、報告が不正確だったりすることもあるため、特にアフリカでは実際の死者数は今回の数字を上回っている可能性が高いという。

 犠牲者の約40%が先住民族、死亡した場所は3分の2以上が中南米だった。また、10人に1人が女性だった。

 特定の経済部門に関連していたとされる犠牲者141人のうち、3分の1以上が採掘作業に抗議する活動家だった。採掘作業のほとんどが違法業者によるものだった。また、アグリビジネス関連の殺害は34件で、アジア、特にフィリピンが多かった。

 報告書は、「地球を破壊行為や炭素集約型産業から守る人々が最も必要とされている時代に、最も多くの土地が破壊され、活動家らが殺されている」と述べている。

 また報告書によると、女性の活動家らは個人に対する中傷など「特有の脅威」に直面している。「女性の活動家を黙らせる手段として性的暴力が用いられるが、その多くは報告されない」

 地元の共同体や先住民社会が土地の権利を主張する取り組みも、暴力行為の対象となっている。グローバル・ウィットネスは「多くの国で、土地や自然資源に対する人々の権利が保護されていない、文書化されていない、または認識されていない」と指摘した。(c)AFP/Marlowe HOOD