【8月24日 AFP】1年後に延期となった東京パラリンピックについて、国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ(Andrew Parsons)会長が、大会は新型コロナウイルスの感染ゼロを保証できる必要があるとの見解を示し、感染対策が改善されなければ実施はできないと話した。

 パラリンピック開幕まで24日でちょうど1年となるが、新型ウイルスは今も世界中で猛威を振るっている。昨年のこの時期には、もともとの開会式まであと1年となったことを記念する各種イベントが催されたが、今年は感染者数が急激に増えていることを受け、そうした動きは見送られている。

 その中でパーソンズ会長は、「もし今のような状況で明日がスタートだったら、実施はできなかっただろう」「さらに情報を集め、より良い準備をすることが必要だ」と話し、パラリンピック選手の中にはウイルスに特に弱い選手がいることから、現在のような感染リスクがある状態では開催は難しいという考えを示した。

 感染症のパンデミック(世界的な大流行)による五輪、パラリンピックの延期という史上初の判断が下されたことで、組織委員会は悪夢のような計画の見直しを迫られているが、そもそも安全な実施は可能なのかという不安は今もぬぐえていない。

 パーソンズ会長は、今のソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)対策や検査と追跡の水準では、4400人近い選手と関係者、無数のファン、ボランティア、メディアを守るのに十分ではないと話している。

「われわれは、どの程度のリスクレベルなら許容できるかを決めようとはしていない。それが最低限のラインであり、われわれはそこに譲れない一線を引く」「どうすれば確実に感染ゼロを実現できるか。選手村で一人でも感染者が出れば、大会自体がダメになる可能性もある」 (c)AFP/Sara HUSSEIN