【7月30日 AFP】ベラルーシ国営メディアによると、同国の治安当局は29日、来月の大統領選を前に同国の情勢不安定化を画策したとして、ロシア人の傭兵(ようへい)32人を拘束した。ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領はロシアに説明を求めている。

 30年近くにわたる長期政権を築いてきたルカシェンコ氏は、6選を目指す今回の大統領選で主要対立候補を拘束するなどの措置を取っており、今回の電撃発表はそうした異例の選挙戦に新たな予想外の展開をもたらした。ルカシェンコ氏は、反対勢力の一部がロシアの「人形師」に操られていると主張している。

 ルカシェンコ氏は緊急会合を開き、ベラルーシ国家保安委員会(KGB)のバレリー・バクルチク(Valery Vakulchik)議長に対し、「ロシアのしかるべき機関に直ちに問い合わせ、何が起こっているのかについて説明をしてもらうことが必要だ」と指示した。

 バクルチク議長はルカシェンコ氏に対し、拘束された32人は民間軍事会社ワグネル(Wagner)のメンバーだと説明した。ワグネルはロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の支持者が経営し、ウクライナやシリア、リビアでロシアのために暗躍しているとされる。識者の間からは、拘束されたロシア人はアフリカに向かう途中でベラルーシを通った可能性があるとの指摘も出ている。(c)AFP/Tatyana Kalinovskaya