【7月28日 AFP】世界保健機関(WHO)は27日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために国境を封鎖し続けるのは持続可能ではないとの見解を示した。各国に対し、感染が広がる場所の現地の情報を基に、広範囲の対策を講じるよう呼び掛けている。

【関連記事】新型コロナ、マイクロ飛沫で空気感染の可能性 米大が論文

 多くの国で、国境封鎖や渡航制限はコロナ対策の要となっている。一方、一時は集団発生を制御したようにみえた欧州各国をはじめとする多くの国々で封鎖措置が緩められ感染者が増えており、国境封鎖を再導入する可能性についての議論が巻き起こっている。

 しかしWHOは国境を無期限に封鎖し続けることはできないと警告。国境封鎖は、ウイルスの感染経路を特定し感染を断絶するための他の幅広い措置と組み合わせることで初めて役に立つものだとした。

 WHOで緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏はインターネットを通じた会見で、「国境を封鎖し続けることは、世界経済や世界の貧困層、他の誰にとっても、必ずしも持続可能な戦略ではない」と述べた。

 ライアン氏は「各国が当分の間国境を閉ざし続けることは、ほぼ不可能になる」とし、「経済は開かれなければならず、人々は働かなければならず、貿易は再開しなければならない」と指摘した。(c)AFP